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敬愛する東雅夫さんにかかはることを二つ。
ひとつは日放協放送の「妖しき文豪怪談」。監修が東さん。 http://www.nhk.or.jp/bungokaidan/ 予告編も観られるので、どうぞ。 二つ目は、東さん編纂にかかる、ちくま文庫「文豪怪談傑作選」全十五巻の掉尾を飾る「幸田露伴集 怪談」である。つねながら、私にまでお贈りくださる東さんに感謝を申し上げたい。 露伴について、東さんはいつものやうに秀抜な解説で、明治以降の怪奇小説の書き手としての露伴の重要性について存分に語つてをられる。それを拝読してゐて、思ひだしたことがある。 いつかも書いたことがあると思ふが、種村季弘先生が、河出文庫から『日本怪談集』上下(一九八九)を出されたとき、私も作品選出の現場にゐた。先生は露伴についても該博な知識をお持ちで、いろいろ教へて頂いたのだが、私は先生のご推挽でこの二冊の「日本怪談集」に収録された「著者紹介」を書くことになつた。いま、そのなかから、露伴に関する「紹介文」をここに写してみる。新仮名である。当時私はまだ三十七歳。山梨に専任が決まる前の年だつた。言及した作品はみな私個人の判断からして、露伴の傑作と思はれるものであつた。 幸田露伴(こうだ・ろはん) 一八六七~一九四七。本名成行(しげゆき)。江戸生まれ。十八歳のとき、電信技手として北海道に赴任。二年後、ひそかに任地をはなれ、ほとんど徒歩で東京に帰った(その体験は『突貫紀行』に詳しい)。本格的に文学に取り組んだのはそれからで、『風流仏』(八九)『いさなとり』(九二)『五重塔』(九二)『天うつ浪』(一九〇六~七)『運命』(二五)などが次々に書かれてゆくことになる。怪談の類いも尠くないのは、露伴が中国の古典に通じていたことと無縁ではないだろう。たとえば「支那における霊的現象」と題された随筆はその一傍証にほかならない。なお、「幻談」を収めた同名単行本は晩年、四一年の刊。 露伴で何を入れるかについては「観画談」や「対髑髏」などが候補にあがつて、最後はむろん種村先生のご意向で「幻談」といふことになつたのだが、今回、東さん編纂のご本では「幻談」が最初に置かれ、しかも、途中には私が言及した「支那における霊的現象」がちやんと収められてゐる。 かつて福永武彦が露伴を愛し、「老年の文学」と言つて称揚したことがある。石川淳編の露伴随筆全五巻もある(私の若い頃からの愛読書)。露伴、読むべし、と私も思ふ。
by romitak
| 2010-08-13 19:07
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