以前の記事
2017年 03月 2017年 02月 2016年 11月 2016年 09月 2016年 02月 2013年 10月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 09月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
しばしば書くやうに、ビル・エヴァンス(1929/1980)は私の鍾愛するジャズピアニストのほとんど筆頭格である。なかでも、ベースにスコット・ラファロ(1936/1961)をむかへた1959年から1961年にかけてのトリオを凌駕する存在は他のピアニストのトリオはむろん、ビル・エヴァンスが続けて何人もベーシストを替へながら演奏活動を続けたトリオにもつひになかつた。史上最高のジャズピアノのトリオと云へば、スコット・ラファロの入つたこの時期のトリオにとどめを刺すといふのが二十代から一貫した私の考へである。
さて、そのトリオには ・Sunday at The Village Vanguard ・Waltz for Debby といふ、二枚のライブ録音が残されてゐる。二枚ともVillage Vanguardでの録音である(スタジオ録音は、Portrait in JazzとExplrationsの二枚)。 ところが、つい最近、1960年の三月と四月に、同じくジャズクラブのBirdlandで録音された Bill Evans Trio Live at Birdland といふCDが出たのである。 Recorded directly from the broadcasts at Birdland Club, New York City, 1960 と書いてあるだけで、他の情報がほとんど記されてゐない(輸入盤にはよくあることだ)ので、どういふ事情で録られ、かつ、今まで一枚のアルバムとして日の目を見なかつたかは不明であるが、Village Vanguardセッションの完成度には及ばないとしても、このトリオがなぜ最もすぐれてゐたかを、その誕生から間もない日々の演奏はすでに示してゐて、ラファロといふ天才を得たからこそこのトリオは革命的だつたことが如実に伝はつてくる。躍動的なラファロのベースと、それと一体になつてスイングしてゆく(!)ビル・エヴァンスのピアノを聴いて、鼓動が高鳴らないとしたら、それはジャズとは無縁の方といふほかない。こんな年になつて、といふ云ひ方はをかしいかもしれないが、私は大いに胸ふるはせることになつた。 たとへば、Nardis。この、マイルス・ディヴィス作曲の、ビル・エヴァンス得意中の得意の曲におけるラファロとビル・エヴァンスの交感ないし交歓は、スタジオ録音(Explorations)収録のNardisにひけをとらない。Come Rain Or Come Shine(3テイク収録)はスタジオ録音よりもいいのではなからうか。Autumn Leaves(これも3テイク収録)もすばらしい。マイルスの名盤Kind of Blueでビル・エヴァンスがピアノを弾いたBlue in Greenが入つてゐるのも貴重である。 これはラファロのファンなら、そして、ビル・エヴァンスを愛する者ならすぐにでも買ふべきCDだと思ふ。
by romitak
| 2010-02-03 14:53
|
ファン申請 |
||