竹本住大夫師と電話でお話ししました。去年脳梗塞で倒れて入院して一年。復帰後は、一月大阪公演、四月大阪公演、五月東京公演とこなされて、今月下旬から大阪公演、そのあとは九月東京公演があります。お元気さうな声で私もパリにゐながら安堵しました。
リハビリも欠かさず、歩くときは杖を使はないやうにしてゐると仰言います。皆さんが待つてゐますと申し上げると、それを感じるだけに責任を感じるとのお言葉も。
夏の大阪では「釣船三婦内の段」を語られます。いまは稽古の最中。酷暑だけに無理をなさらぬやうに申し上げました。師匠は、パリの私の不調まで案じてくださいます。
十月で満八十九歳。斯界最高峰の名人です。
ときに、私の住大夫論ですが、書影はまだですけれど、いつの間にかアマゾンに載つてゐました。
『七世竹本住大夫 限りなき藝の道』
九月三日刊行。講談社。千五百七十五円。二百八十八ページ。二段組み八十ページが住大夫師と錦糸師匠のオリジナル・インタビュー。私の本文より価値があると思ひます。
いづれ書影ができたらまた載せるつもりです。