ウェッジの服部さんから最新刊を頂戴した。
塚本邦雄『ほろにが菜時記』1470円。
月刊「味覚春秋」に十六年にわたつて連載された食物エッセイの精華を集めて一本にしたものである。和歌の引用もあり、繊細な味の描写もあり、フランスの話も挟み込まれ、ともかく楽しい一冊となつた。
ウェッジ文庫は休刊になつたが、文庫とあまり変はらない価格で、読みやすい単行本(ソフトカバー)となつたことをことほぎたい。
ことに、フローラの歌人塚本邦雄が傾ける、食べる草花の蘊蓄は比類がないとも云へる。
細部がともかくも楽しい。お勧めする。